「K18って書いてあるから、これは金ですよね?」
買取店で働いていると、お客様からこんな質問をいただくことがあります。
確かに、K18は18金を示す刻印です。
でも…
「えっ!? どういうこと?」
と思われた方。
今日は、現役買取店スタッフとして、普段あまり知られていない査定の裏側をお話しします。
「刻印がある=本物」とは限らない
以前の記事で、私はこんなお話をしました。
「古いアクセサリーは、捨てる前に刻印を確認してください」
これは今でも変わらない考えです。
ただし、1つ補足しておきたいことがあります。
それは、
「刻印がある=高く売れる」ではないということ。
例えば、金を示す刻印があっても、実際には金メッキだったというケースもあります。
また、そもそも金メッキや金張りを示している刻印もあるんです。
知っておきたい「金の刻印」の違い
まず、金の純度を示す代表的な刻印をご紹介します。
| 刻印 | 金の純度 |
|---|---|
| K24・999 | 約99.9%以上 |
| K22・916 | 約91.6% |
| K18・750 | 75.0% |
| K14・585 | 約58.5% |
| K10・416・417 | 約41.7% |
※数字は一般的な品位表示で、実際の純度には規格上の許容差などがあります。
一方、こちらは金メッキや金張りを示す代表的な刻印です。
| 刻印 | 意味 |
|---|---|
| GP | 金メッキ |
| GEP | 電気金メッキ |
| HGE | 硬質金メッキ |
| GF | 金張り |
| RGP | 圧延による金張り |
例えば、「K18」と「K18GP」
たった2文字違うだけですが、意味は大きく異なります。
K18は18金を示す刻印。
一方、K18GPは18金を使用したメッキを示す刻印です。
つまり、見た目が同じ金色でも、中身まで金とは限らないということ。
※刻印の使われ方は製造国や製品によって異なる場合があります。
では、買取店では何を見ているの?
私たちは、刻印だけで査定額を決めているわけではありません。
お品物によって、いくつもの検査を重ねています。
① 磁石への反応
金そのものは、通常、磁石に強く引き寄せられません。
そのため、磁石への反応を確認します。
ただし、磁石に反応しないからといって、本物の金とは限りません。
② 重さや密度
金は密度が高い金属です。
そのため、重さや体積などから素材を判断する手がかりを得ることがあります。
③ 試金石や薬品による検査
専用の試金石や検査液を使い、金属の反応を確認する方法があります。
素材によって反応が異なるため、判断材料の1つになるんです。
ただし、表面の金メッキなどによって判定が難しい場合もあります。
さらに、店舗によっては専用の分析機器を使用することもあります。
こうした複数の検査を重ねて、初めて素材を判断していくんです。
※検査方法は店舗やお品物によって異なります。
「金だと思っていたのに…」
お客様の中には、
「昔、高かったから本物だと思っていた」
「母から金だと聞いていた」
「ちゃんとK18って書いてあるのに?」
と驚かれる方もいらっしゃいます。
お気持ちはよく分かります。
でも、実際に検査してみると、想像していた素材とは違うこともあります。
そして反対に、刻印が見当たらなくても、貴金属として価値が認められるお品物もあるんです。
捨てる前に、これだけは覚えておいて
私がお伝えしたいのは、決して「刻印は信用できない」ということではありません。
刻印は、素材を判断するための大切な手がかりです。
ただし、それだけですべてが分かるわけではありません。
刻印があるからといって、必ず高値がつくわけではない。
でも、刻印がないからといって、価値がないとも限らない。
引き出しの奥に眠っている古い指輪。
片方だけになったピアス。
切れてしまったネックレス。
「どうせ大したものじゃないし……」
そう思って捨ててしまう前に、一度、専門店で相談してみてください。
もちろん、査定の結果、お値段がつかない場合もあります。
それでも、知らずに捨ててしまうより、価値を確かめてから判断する方がいいと私は思います。
これが、日々さまざまなお品物を見ている、現役買取店スタッフとしての本音です。

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