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【実録】母の形見のバッグが200円。「買ってあげますよ」と言われた女性の話

「200円で買ってあげますよ」

大切にしていた母親の形見のバッグ。

勇気を出して買取店に持ち込んだ女性に、店員が放った言葉です。

皆さんは、この言葉をどう感じますか?

こんにちは。

昨日の記事では、

「お気軽にお手持ちの品物の価値を知り、納得できればお売りください」

というお話をしました。

実は、私が「お気軽に」とお伝えするのには、理由があります。

それは、今回だけでなく、次回も、またその次も、安心してご来店いただきたいから。

買取店を、もっと身近で安心できる場所だ

と感じていただきたいのです。

今日は、そんな私の思いを改めて考えさせられた、あるお客様のお話をします。

目次

初めてご来店された60代の女性

先日、私のお店に60代の女性が初めてご来店されました。

お持ち込みになったのは、貴金属。

受付票を確認すると、「過去に買取店を利用したことがある」という項目にチェックが入っていました。

そこで私は、

「差し支えなければ、以前はどのようなお品物を査定に出されたのですか?」と伺いました。

すると、それまで穏やかにお話しされていたお客様の表情が、ふっと曇ったのです。

「あれ? 何かあったのかな?」

そう感じた私は、無理のない範囲でお話を伺うことにしました。

すると、以前利用された買取店で、とても嫌な思いをされたというのです。

「200円で買ってあげますよ」

その女性が初めて買取店に持ち込まれたのは、お母様の形見のバッグでした。

お母様が大切に使われていたバッグ。

女性にとっても、思い出の詰まった大切なお品物だったそうです。

けれど、ご事情があり、手放すことを決意されました。

きっと、簡単な決断ではなかったと思います。

ですが、勇気を出して初めて買取店へ。

そこで対応したのは、若い男性店員。

そして、バッグを査定した後で、こう言ったそうです。

「200円で買ってあげますよ。本来なら0円買取ですが、200円つけてあげますよ」

皆さんは、どう感じられましたか?

その女性は、腹立たしさとショックで、バッグを持ち帰られたそうです。

そして、それ以来、買取店に対して苦手意識を持つようになったとおっしゃいました。

今回、私のお店に足を運ぶことさえ、相当な勇気が必要だったと打ち明けてくださいました。

問題は「200円」という査定額ではない

このお話を伺って、私は同じ買取業界で働く人間として、何とも言えない気持ちになりました。

ここで、お伝えしたいことがあります。

それは、

査定額が200円だったこと自体を、私は問題だと思っているわけではない

ということ。

買取価格は、購入時の金額や思い出の深さだけで決まるものではありません。

ブランド、状態、需要、現在の市場相場など、さまざまな要素から判断されます。

ですから、どれほど大切にされてきたバッグであっても、残念ながら高い査定額をおつけできないことはあります。

それは、私たち査定員も避けられない現実です。

でも……。

「200円で買い取らせていただきます」

と、

「200円で買ってあげますよ」

では、受け取る印象がまったく違いませんか?

同じ200円です。

でも、そこに込められた言葉の意味は、大きく異なります。

「買ってあげる」

「本来なら0円だけど、200円つけてあげる」

その言葉を聞いたお客様は、どんなお気持ちになったことでしょう。

査定額の低さ以上に、

大切にしてきたお母様との思い出まで軽く扱われたように感じられた

のではないでしょうか。

もちろん、私はその場にいたわけではありません。

店員がどのような意図で発言したのかも分かりません。

ただ、その女性が深く傷つき、何年も経った今でも、その出来事を覚えていらっしゃる。

それが事実なのです。

私たちが査定しているのは「モノ」。でも、目の前にいるのは「人」

買取店で働いていると、毎日さまざまなお品物を目にします。

ブランドバッグ、時計、貴金属、アクセサリー。

私たち査定員にとっては、日々取り扱う商品の一つかもしれません。

でも、お客様にとっては違います。

初めてのお給料で買った時計。

結婚記念日に贈られた指輪。

若い頃、頑張って購入したブランドバッグ。

そして、今回のように、大切な家族の形見。

その品物には、持ち主にしか分からない物語があります。

査定員は、その思い出に値段をつけることはできません。

でも、その思い出を大切に扱うことはできるはずです。

私は心底そう思っています!!

そして、もう一つ重要なことは、

買取店にとっては、数ある接客のうちの一件かもしれませんが、

お客様にとっては、一生忘れられない接客になることもあるということ。

たった一言が、お客様の心を傷つけることもあれば、安心させることもある。

改めて、言葉の重みを感じた出来事でした。

「また来たい」と思っていただけるお店でありたい

買取店の仕事は、品物を買い取ることです。

もちろん、私たちも商売ですから、お品物をお売りいただければ嬉しいです。

でも、私はそれだけではないと思っています。

たとえ、その日に買取が成立しなかったとしても、

「相談してよかった」

「ちゃんと話を聞いてもらえた」

「また何かあったら、ここに持ってこよう」

そう思っていただけたなら、それも大切な接客の成果ではないでしょうか。

目先の一件の買取よりも、その先に続くお客様との信頼関係。

私は、そこを大切にしていきたいです。

現役買取店スタッフとして伝えたいこと

最後に、皆さんにお伝えしたいことがあります。

もし、買取店で査定額が低かったとしても、どうかご自身の大切なお品物まで価値がないと思わないでください。

「市場での価値」と「あなたにとっての価値」は、必ずしも同じではありません。

査定額が200円だからといって、その品物に込められた思い出まで200円になるわけではないのです。

そして、もし査定員の対応に違和感を覚えたら、無理に売る必要はありません。

納得できるまで説明を聞いてもいい。

他のお店で査定してもらってもいい。

もちろん、持ち帰ってもいい。

そうなんです!

だから、どうか遠慮なさらないでくださいね。

私は、買取店が「勇気を出して入る場所」ではなく、

「気軽に相談できる場所」になってほしいと思っています。

今回の出来事を通して、私自身も改めて心に刻み込みました。

そのことを忘れずに、これからもお客様をお迎えしたいと思います。

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