「新品未使用なので、購入価格の9割くらいになりますかね?」
ある日、お客様が新品未使用のハイブランドのお財布をお持ち込みになりました。
事情を伺うと、昇進祝いとして、ご上司からプレゼントされたもの。
ところが箱を開けてみると、なんと現在ご自身が使っている財布と全く同じものだったそうです!!
今使っている財布はご自身で購入されたため、購入価格もご存知でした。
新品未使用。
一度も使っていない。
箱や付属品もある。
そうなると、
「かなり定価に近い金額で売れるのでは?」
と思いますよね。
ところが、実際の査定額はお客様が想像されていた金額には届きませんでした。
これは私自身が買取店で働き始めた頃に驚いたことの一つでもあります。

「高く買った=高く売れる」とは限らない
ハイブランドの商品は、そもそもの販売価格が高額です。
ですから、
「30万円で買ったから、キレイなら25万円くらいになるかな」
「新品なら定価の8〜9割くらいにはなるのでは?」
と考えてしまいがちです。
ですが、購入価格と買取価格は、同じ基準で決まっているわけではありません。
ブランド品の販売価格には、商品の原価だけではなく、
店舗運営や人件費、広告・宣伝、ブランドの世界観を維持するためのさまざまなコストも関係しています。
一方で、買取店が査定するときに見るのは、
「この商品が現在、中古市場でどのくらいの価格で流通しているのか」
「どのくらい需要があるのか」
「状態はどうなのか」
「店舗や業者が再販売するとしたら、いくらになるのか」
といったポイントです。
つまり、
【購入したときの価格】と【中古市場での現在の価値】は別物なんです。
ここを知っているだけでも、査定額を見たときの「どうしてこんなに安いの?」という驚きは少なくなると思います。
新品未使用でも「新品販売」とは違う
もう一つ知っておいていただきたいのが、
「一度人の手に渡った商品を買取店に持ち込むこと」と、
「ブランドの正規店で新品として販売されていること」は同じではない、ということ。
たとえ一度も使っていなかったとしても、買取店では中古流通の商品として査定されるのが基本です。
もちろん、
・人気ブランド
・人気モデル
・人気カラー
・品薄の商品
・状態が非常に良いもの
・付属品が揃っているもの
などは高い査定につながる可能性があります。
しかし、「新品未使用=定価の9割」とは限らないのです。
では、このお客様はどうなったのか?
今回のお客様にも査定額をご提示しましたが、最初は期待されていた金額には届かず、一度お持ち帰りになりました。
ただ、その際にご連絡先を交換していたため、
「ぜひ他のお店の査定額も見てきてください」とお伝えしました。
私のお店が1店舗目だったからです。
その後、お客様は実際に何店舗か回られました。
そして最終的に、もう一度私のところへ戻ってきてくださいました♪
そして、その価格をもとに、できる限り頑張ってご提示させていただきました。
利益としてはかなり厳しい金額でしたが、他店より少し高い査定額をご提示できたため、最終的にお買取させていただくことになりました。
この経験からもお伝えしたいのが、
買取店は「1店舗だけ」で決めなくてもいい
ということです。
同じ商品であっても、買取店によって査定額に差が出ることがあります。
なぜなら、
・その店が今その商品を欲しがっているか
・どんな販売ルートを持っているか
・どのジャンルを得意としているか
・在庫状況はどうか
などが違うからです。
ですから私は、「思っていたより安い……」とご自身が感じたときは、その場ですぐに売る必要はないと思っています。 (買取店の本音としては、お譲りいただきたいですが)
もちろん査定額は相場などによって変動するため、「別のお店なら必ず高くなる」とは言えません。
それでも、納得して手放すために複数の査定を比較してみるという選択肢はあります。
現役買取店スタッフとして思うこと
ブランド品は購入するときの金額が高い分、
「大切に使ったから」
「ほとんど使っていないから」
「新品だから」
と、売却するときの期待値も高くなりがちです。
だからこそ査定額を聞いて、「こんなに安いの?」とショックを受ける方も少なくありません。
ですが、それには理由があります。
「高く買ったもの」と「今、高く売れるもの」は同じではないということ。
これが、買取店で働くようになって私自身が知ったことの一つです。
そしてもう一つ。
大切なお品物だからこそ、
「最初に行った店で、そのまま売らなくてもいい」ということも知っておいてほしいと思います。

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